古くから続く日本の伝統の味、蕎麦。町を歩けば、
こだわりを謳った蕎麦屋を多く見かけます。
そんな格式が高そうな蕎麦屋に勇気を出して入ってメニューを見てみると、
メニューの隅に大抵書いてあるのがカレー。
うん?しかしよく考えてみましょう。
蕎麦屋のカレーは確かに美味しいです。
蕎麦屋独自に作り込まれた和風だしとカレーが合わさり、
旨味と香辛料が合わさったカレーをご飯と一緒に食べる。たまりません。
しかし、なぜ蕎麦屋にカレーがあるのでしょうか?
そしてなぜ蕎麦屋のカレーは美味しいのでしょうか?
一見、相見えぬこの二つの料理。
なぜ蕎麦屋のメニューに並ぶようになったかを考えてみましょう。
蕎麦屋にカレーがある理由。どんな関係があるの?
蕎麦屋にカレーがある理由。
それはカレー南蛮という料理に起因します。
カレー南蛮は和風だしとカレーを合わしたスープに蕎麦を入れた料理で、
こちらも蕎麦屋の代表的なメニューになっています。
カレー南蛮の起源は蕎麦屋への食材を卸す問屋が、
カレールーの製造を始め、蕎麦屋と一緒に売り出したところ、
蕎麦屋が二つを組み合わせた新しい料理を生み出したからと言われています。
そうしてカレー南蛮が蕎麦屋の一般的なメニューをなりました。
そうなると、どうせカレーを作るのだから、
カレーライスもメニューに載せてしまって別に構わないだろう。
そして、流れるままカレーは蕎麦屋のメニューとして
市民権を得るようになりました。
普通のカレーとは違う!?なぜこんなにうまい?
蕎麦屋のカレーを思い出してください。
スパイスの効いた本格的なカレーというよりは、
和風だしが香る、実に日本人の舌にあうように
アレンジされたカレーです。
その理由は先ほど述べたように、
蕎麦屋のカレーはカレー南蛮を作る上で、
副産的にメニューに並ぶようになりました。
つまり、蕎麦屋自体にそこまでカレー本体を作ろうと思って
作られたわけではなく、カレー自体にはこだわりがある店は
決して多くないと考えます。
蕎麦屋のカレーの美味しさの秘訣は
そのカレーに合わさっただしにあります。
蕎麦屋のカレーのだしは、もちろん蕎麦の味を最大限に引き出すように、
店ごとに研究に研究を重ねた、店こだわりのだしが使われています。
つまり、蕎麦屋のカレーの美味しさは、
そのお店のこだわり抜いただしの味といえます。
そして店ごとに蕎麦屋のカレーの味が違うのは、
店それぞれのだしのこだわりの違いだといえます。
まとめ
蕎麦屋のカレーには、その店のこだわりのだしが詰まっています。
もちろん美味しい蕎麦を食べて、その店の味を確かめるのも良いでしょう。
しかし、時には蕎麦屋のカレーからその店のこだわりを
感じとってもいいかもしれませんね。