漫画「るろうに剣心」の
緋村剣心が持っている逆刃刀。
刃と峰が逆という
非常にユニークな形をしていますが
これって刀として切ることはできるんでしょうか？
また、理論的に逆刃刀を作ることはできるのか。
今回は、この逆刃刀について
刀としての機能や実現の可能性について
お伝えしたいと思います。
逆刃刀は本当に切れる？
逆刃刀は、読んで字のごとく
刃と峰が逆に作られた日本刀なので
普通に切ろうとすれば当然切ることはできません。
ただ、構造上、逆側は刃になっているので
切ることは可能です。
しかし、なぜわざわざ
このような形にしているのでしょうか？
切れないようにするのはわかりますが
通常の峰のところに刃をつけて
切れるようにすることに何の意味が？
確か作中では相手の武器を破壊するために
逆刃刀の刃の部分で切っていることがありました。
刃がついてる方が便利ではありますが
「逆にする意味なくね？」とツッコむ
声多数のようですね。
ある意見では、剣心が自決のために
あえて刃を付けたなんて説もありますが
これはちがうでしょう。
やっぱり木刀ではなく、日本刀の形に
カッコよさがあるからなんでしょうね。
漫画なので細かいところにツッコんだら負けです(笑)
そんなるろうに剣心の原作にご興味があればこちらの記事もどうぞ
逆刃刀は作れる？
次に逆刃刀は実際作れるのかについて
結論を言ってしまうと、逆刃刀を作るのは
構造的に不可能とされています。
というのも、日本刀のあの反った刃は
刀をうつ焼き入れという工程で生み出されます。
日本刀は峰と刃で厚みが違うので、焼き入れして
冷やすと薄い刃の方は急激に冷えますが
峰の方はゆっくり冷えていきます。
この冷めるときの時間差こそ、日本刀の反りを生むので
刃と峰が逆になっている逆刃刀はどうしても
実現は不可能なのです。
逆刃刀の模造刀なら、これまで作られていますが
模造刀と真剣は製法がまったく違うので
本物の逆刃刀の実現はありえないとされています。
そもそも逆刃刀とは？
ここまできて今更と思いますが
一応逆刃刀について簡単に説明します。
逆刃刀とは、
漫画「るろうに剣心」の主人公・緋村剣心が所有する日本刀。
上でも言ったように、逆刃刀は刃と峰が逆になっている構造で
普通に切っても打撃効果はあっても殺傷能力はありません。
作者は新井赤空
新井赤空から剣心が
「剣を捨てることで人斬りであることを忘れるな」と
戒めの意味を込めて授かった刀。
作中では、逆刃刀・影打と逆刃刀・真打の二振りが登場していて
影打は瀬田宗次郎との戦闘で折られてしまい、後に手に入れる真打は
物語終盤で明神弥彦に託されました。
しかし、二度と人を殺めないと心に決めた
剣心からしたら刃がついたものを
持つことに抵抗はなかったんでしょうか。
作者の和月伸宏氏によると
「竹光や木刀ではかっこうがつかない」とのことで
この逆刃刀が誕生したそうです。
本来、刃であるはずの反りが峰になっていて
抜刀時の滑りが悪いので、抜刀には向かないと言われる
逆刃刀ですが、飛天御剣流の使い手である剣心にかかれば
そのデメリットもないような抜刀術を可能とするのです(どういうこっちゃ)
これは、いわゆる主人公補正というやつですね(笑)
最後に
漫画でも逆刃刀は剣心を象徴するアイテムとして
重要ですが、読んでいると中々ツッコみたくなる
武器でもあります。
ここでは実現は不可能と紹介しましたが
現代の名のある刀匠が本物を作ってくれる日が
きたらいいですね。
